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  1. 脳性まひとは?
  2. 脳性まひのタイプ
  3. 脳性まひに伴う痙縮とは

脳性まひとは?

脳性まひとは、赤ちゃんがおなかの中にいるときから生後4週までの間に起こった脳の病変による運動と姿勢の異常をいいます。思い通りに手足を動かしたり、姿勢を保ったりするのがむずかしくなります。また脳の病変の部分によって、精神発達の遅れ、ことばの障害、視聴覚の障害、てんかんなどを合併することもあります。脳性まひの程度は、運動のぎこちなさがみられるだけの軽いもの、装具・杖・車イスが必要なもの、寝たきりに近い状態のものなど、かなり個人差があります。

脳性まひを起こす脳の病変は、脳室周囲白質軟化症※1、脳室内出血、脳梗塞、脳や神経細胞の発達異常、中枢神経の感染症などさまざまで、原因が特定できないことも少なくありません。近年、妊娠・出産に関わる医療はめざましく発展し、新生児の死亡率は減少しましたが、脳性まひの患者さんはやや増加傾向にあり、1,000人に約2人の割合*となっています。また、原因が明らかでないこともあることから、脳性まひの完全な予防もむずかしいのが現状です。

※1 脳室周囲白質軟化症(のうしつしゅういはくしつなんかしょう)
脳の中の脳室周囲には、神経線維が行き来する構造があり、白質といいます。ここに血液が行きわたらず、運動障害を起こす病気です。

* Toyokawa S, et al. Dev Med Child Neurol. 2017;59:317-321.