下肢痙縮に伴う尖足の治療
脳の病変そのものを治すことはできませんが、痙縮(けいしゅく)を抑制して運動をしやすくする治療は可能です。おもな治療法には以下の5つがあります。
これらの治療はそれぞれ単独で行われるわけではなく、理学療法や作業療法などのリハビリテーションと併せて行います。
- (1) 経口筋弛緩薬
- 緊張している筋肉をゆるめる働きのあるおくすり
- (2) ボツリヌス療法
- 筋肉を動かす神経に働いて、筋肉の緊張をやわらげるボツリヌストキシンを注射
- (3) 脊髄後根離断術
- 筋肉の緊張を起こす神経を脊髄から部分的に切る手術
- (4) バクロフェン持続髄注療法
- 経口薬では効きにくいとき、バクロフェンというおくすり(薬液)の入ったポンプを手術でおなかに埋め込んで、24時間持続的に脊髄に送る方法
- (5) 整形外科的手術療法
- 痙縮や拘縮を起こした脚の筋や腱を手術して、緊張をやわらげ歩きやすくする方法
これらの治療法のなかから、年齢、重症度、関節拘縮(かんせつこうしゅく)および変形の程度に応じて、お子さんの状態に最も適した方法が選択されます。