脳性まひとは、赤ちゃんがおなかの中にいるときから生後4週までの間に起こった脳の病変による運動および姿勢の異常をいいます。異常は満2歳までにあらわれ、思い通りに手足を動かしたり、姿勢を保ったりするのがむずかしくなります。また、脳の病変の部分によって、精神発達の遅れ、言葉や視聴覚の障害、てんかんなどを合併することもあります。
脳性まひを起こす脳の病変は、脳室周囲白質軟化症(のうしつしゅういはくしつなんかしょう)※1、脳室内出血、脳梗塞、脳や神経細胞の発達異常、中枢神経の感染症などさまざまで、原因が特定できないことも少なくありません。脳性まひの完全な予防は、原因が明らかでないこともあることから、むずかしいのが現状です。
※1脳室周囲白質軟化症(のうしつしゅういはくしつなんかしょう)
脳の中の脳室周囲には、神経線維が行き来する構造があり、白質といいます。ここに血液が行きわたらず、運動障害を起こす病気です。